税理士法人ダイヤモンド経営
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山内竧物語

第三章 翔

故郷のために人を育てる

 京から戻った私は、すぐに経理学校併設の沖縄税務計算センターを数人の仲間と立上げました。当時、税理士の資格をとるための学校が沖縄になく、私のように東京などで勉強しなければならなかったからです。それでは経済的に大変です。税理士を目指そうにも、挫折してしまいます。それにも増して、優秀な人材をそのまま東京など県外に流出してしまいます。私はこれがもったいなくて仕方がありませんでした。

 沖縄で税理士になれば、その優秀な人材はそのまま沖縄に残り、この沖縄のために役立ってくれる。

 復帰から間もない沖縄の成長を、素直に願うばかりでした。
 私も財務諸表論や所得税等を教えました。やがて小さな活動は少しずつ実り、数名の税理士を輩出することが出来ました。沖縄でも税理士になることが出来る。私自身、確信を持つことができました。

 やがて経理学校も軌道にのり、私は新たな道を歩もうと決心していました。教えることは卒業し、私自身の税理士としての腕を磨く必要を感じていました。それには実務をこなすのが一番です。

沖縄市 決断するとすぐに行動に移すのが、昔も今も私の変わらない性分です。
 沖縄市に小さな事務所を借り、税理士事務所を開業しました。たったひとりの船出でした。

 なんの約束も特定の顧問先の確約もないのに、不思議と不安な気持ちはなく、晴れやかな気持ちでした。

コンサルティング会社設立へ

 小さな仕事を、ひとつひとつこなすうちに少しずつ顧問先ができました。
 自ら仕訳伝票を書いたり、経理が簡素化できるように複写式の伝票を考案したり、経理学校とは違った創意工夫が必要とされる実務では、私の好奇心と探究心を十分くすぐり、手応えを感じ充実した毎日でした。

 当時、実務に役立つに違いないと、相続税シュミレーションが出来る高額なコンピュータシステムや最先端のオフコンを購入しました。若かった私は、時代を先取りしたシステムをカッコ良く使いこなす税理士に憧れていました。

 実際に高額なシステムを購入しても受ける案件は、一般的な税務申告ばかりでしたので、宝の持ち腐れになっていました。小さな事務所では限界を感じましたし、何より小さな事務所ではお客様である経営者に対して、経営のアドバイスをするのはおこがましいのではないか?と真剣に考えていました。

 自分自身が何十名の社員を抱え、経営者としていることで、お客様と同じ土俵でアドバイスも出来るのではないだろうか?と思っていたのです。

宜野湾

 大型事務所の青写真を描きながらジレンマを感じ始めた私は、コンサルティングをもっと重要視した事務所にしようと事務所を移転しました。移転と共に、志を同じくする税理士を募り共同税理士事務所のスタイルを取り入れました。
 
 今なら税理士法人が法的に認められていますが、当時はそれがありませんでしたので、30代の私と40代50代それぞれの税理士の3人で、コンサルティングを行う株式会社グローバル経営研究所を設立しました。

 「3人寄らば文殊の知恵」という言葉とおり、世代が違う税理士はそれぞれの持ち味を生かして税理士業務とコンサルティング業務を行っていました。最初の頃はスムーズでしたがやがて、士業として意見が異なることが多くなり、一つに束ねてお客様に指導するのが難しくなってきました。

 お客様にとって何が一番良いか?

ということを考えて私は、この会社を全面的に背負っていくことを決意しました。他の二人の税理士の先生達は、それぞれ個人の税理士事務所を開業することで落ち着きました。

税理士エンジン全開!

 理学校の時もそうでしたが、お客様や同志に迷惑をかけずに事を収める場合、時には損しても仕方がない。そんな風に考えて借金を背負う決断をしてきました。

 私は余程ウフソー(間抜け?)なのか、一人で背負った会社をこれからどんな風にしていこうかと、考えるとワクワクして借金があることなどあまりクヨクヨ考えませんでした。それよりも、部屋の壁一面に沖縄県の地図を拡大して貼り付け、どの地域にお客様が存在しているのかをシールで目印したり、どこの地域をこれからアプローチしていくかをマーキングしたり、壮大な計画は膨らむばかりです。宝の持ち腐れだった高額なオフコンは、やっと日の目をみて経営者を招いて経営計画を練ったり、経営計画のシュミレーションをこなして税理士エンジン全開の私でした。

 この頃、こんな若造でも経営者は皆、謙虚に私と対等に話をしてくれ、とても嬉しかったことを覚えています。このようなすばらしい経営者のためにも、私ができる限りのことはしてあげよう。その想いを強く持ち、私自身、もっと勉強しなければならないと考えていました。

 
この頃の私は貪欲に県外へ出向いて勉強し、事業承継コンサルタントや医業経営コンサルタント、経営者の資質を高めるための創造経営コンサルタントなど、数々のコンサルタントの資格をとりました。これは登録して自動的にとれるものではなく、決められた時間数の講義と試験を受けます。勉強している時間は辛くとも、ゴールを目指して一気に頑張るのが私流の勉強スタイルでした。

セミナー

 経営コンサルタント業の一方で、その対策に伴う融資取次ぎの仕事も増えてきました。世の中はバブル期にさしかかり、事業承継・相続税対策をいち早く学んでいた頃、地価が高騰し、相続税負担が相続人に重くのしかかる現状を考えると、税理士として何とか知恵を絞り、相続対策を打つ必要性を強く感じていました。
 
 当時、不動産を活用した相続対策が主流でしたが、高齢者に積極的に融資をする銀行が沖縄県にはあまりありませんでした。融資条件も相続人全員が連帯保証人にならなければならないなど、厳しいものでした。相続対策を練っても、資金調達が出来ない状況でした。
 
 そこで私は、お客様のために打開策を求めて沖縄県に融資をしてくれる金融機関を探しに全国行脚が続きました。各地を回り融資案件を持ち込みながら「どうか沖縄県に融資をして下さい。」と何度も頭を下げました。その頃、東京のあるノンバンクが「抵当証券」で融資が出来ると連絡が入りました。早速、温めていた案件を提示すると「良い案件です。融資をしましょう。」と快諾していただきました。

 こうして昭和64年沖縄県で初めて抵当証券融資を実行することになりました。抵当証券融資は、高齢者の相続対策資金として条件が整っていました。連帯保証人は一名で、融資期間も30年と長く、利息は長期プライムレートにプラス0.3%でよいなど、願った通りの好条件が揃い、お客様の望みを叶えてあげることができました。
 
 またたく間に、抵当証券融資制度が広がりました。バブル真っ最中であったこともあり、相続税対策以外に、不動産投資、運転資金の調達まで抵当証券融資が扱われるようになりました。やがて全国のあらゆる抵当証券会社が沖縄へ進出してきました。私の元へも色々な案件が持ち込まれました。中には高い手数料でも良いから抵当証券融資を行ってくれというお願いもありました。

 しかし、私は来るものをすべて行う訳にはいきませんでした。抵当証券融資を取次ぐためには、不動産鑑定士への資料作り、司法書士への資料準備など全ての手配と融資の実行を見届け、その後の税務面フォローもしなければなりません。その上でお客様からいただく手数料は融資額の0.1%から0.3%に過ぎませんでした。平成3年頃まで抵当証券融資の取次は続きました。その間30件ほどのお客様の融資が実行されました。
 
 バブルによる地価高騰がピークを過ぎたこの頃、地価の大幅な変動など、社会が大きく揺れ始めていました。顧問先やお客様のなかにも、これからどのように資産と会社を守っていったら良いのかと、相談されることが多くなりました。税務だけでは十分なサービスが出来ず、各種コンサルティングが重要になってきました。

自社ビル建設を決断

 ンサルティングを特化していくなかで、本土の名高い税理士・会計士の先生方とのお付き合いも多くなりました。北海道、東京、大阪、名古屋、福岡どの地域にも優秀な先生ばかりで、学ぶことも大変多く、「いつか私もこんな事務所にしたい」そのような憧れを抱く理想の事務所にもいくつか出会えました。その先生方からは「沖縄には山内さんしかいないよ。沖縄でぜひ実現してくれ」と期待されその気になっていたかもしれません。
 
 とりわけ私が心を奪われたのは、中核となる税理士先生の側に、優秀な人材を配置してあることです。社員を何百名も抱え、専門分野に特化したコンサルティング部隊が設置してあり、私にとっては夢に描いた事務所スタイルでした。

 「優秀な人材は、このような事務所でなければ集まらないのだな。沖縄にはこのような事務所がないから、優秀な人材は皆県外に出ていってしまうのだ。」
 「親の面倒をみるために沖縄に帰ってきても、腕を奮う税理士事務所がない・・」

 理想の事務所がないなら、優秀な人材が働ける事務所を私が作ろう!
 新たな決意を胸に自社ビル建設へと歯車が動きだしました。

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