相続相続対策になると思い長年少しずつ贈与したら、20名の共有に! 相続どうなる!?

那覇市のHさんはご高齢ですが、とても博識でいらっしゃり勉強熱心な方でした。ご自分である時期から、このまま自分の相続を迎えると、莫大な相続税がかかり、残された相続人に迷惑がかかると悩んでいました。そこで、Hさんは贈与税のかからない範囲で少しずつ財産を生前に贈与していき、相続財産を減らそうと考えました。

那覇市の土地はHさんが考える以上に財産価値が高く、贈与税のかからない範囲といっても本当に僅かしか贈与できません。子や孫たちに贈与していっても相当な年月を要します。

高齢になってきたので、心配したHさんは初めて当社に相談されました。それは財産の中でも主要な場所が収用にかかるからでした。

長年贈与を少しずつ贈与したことで不動産が17名の共有になっているので、収用になると権利者が多くて複雑になってしまっていました。自分自身ではどうして良いのか頭を抱えてしまいました。


「山内先生、僕が長年行ってきた相続対策は間違っていたのかな?」


心配そうに税理士の顔を覗き込むHさん。

「間違った相続対策」と言って気持ちを追い込んではいけないと、


「Hさん、大丈夫ですよ。Hさんはまだまだお元気だから間に合います。

一緒に相続対策を行っていきましょう」


明るく笑う税理士につられ、Hさんもニッコリ頷いています。

解決策収用を見据えた財産整理と相続人の調和を図る

Hさんの悩みを十分に聞き取りした税理士は、現状の財産の分析をしたうえで、Hさんの年齢や推定相続人の人数や家族構成など、様々な観点から検討し直しました。

収用までに十分な時間があるので、土地の交換や買取りなど様々な手法で財産の整理をし、収用の際に有利な権利関係にすることにしました。そして次に相続人が後々に争わないように、なるべく共有にならない分割をすることが出来るように、配慮しました。


Hさんの気持ちを確認しながら、誰に何を残したいかを聞き取りしました。


高齢者の方は会議室や応接室よりも、自宅でリラックスしているほうが、お話をスムーズだったりします。Hさんも、もっぱらお会いするときは事務所ではなく、家族が出掛けた後の自宅のリビングだったり、Hさんの古い行きつけの飲み屋さんだったりと、Hさんの人生経験話を聞きながら、税理士も一緒にHさんの人生に思いを馳せました。


時間をかけて相続対策を行ってきました。それも終盤になる頃、Hさんの病状がどんどん重くなり飲み屋に一緒に出掛けることも出来なくなりました。Hさんは税理士を何度も自宅に招き病床で、思いを伝えていました。


Hさんの相続が発生しました。

税理士はHさんと生前に対策を行ってきた通り、相続税の申告を進めると共に、大勢の相続人と調整をしながら穏やかに遺産分割が整えられていきました。これもHさんの確固たる意志と税理士への信頼があったお陰だと、税理士は仏壇に手を合わせながら感謝しました。


古めかしい飲み屋で若い頃の武勇伝を語っていたHさんを、今も懐かしく思いだします。税理士はお客様の人生に寄り添っていかなくては相続の仕事は出来ないと、改めて教えてくれたのもHさんでした。

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