相続相続人は会ったこともないペルー人

相談者のうるま市在住Aさんは、被相続人の甥にあたる方でした。Aさんの母の兄である 伯父さんが独身で亡くなり、相続が発生したのです。ここまではよくある話ですが、Aさんはほとほと困り果てて、ようやく当社の無料相続相談にたどり着いたと、ため息まじりに話しはじめます。
独身の伯父さんの相続財産は預金も多く、先祖代々からの土地が手つかずのままでした。真面目だった伯父さんは、周辺が宅地開発されて土地が高騰していても、大事に先祖の土地を守っていたのだそうです。しかし、宅地開発に比例して土地の評価はうなぎ登りで、相続税がかなりかかりそうです。
しかし、Aさんを困らせていたのは、そんなことではなく、相続人にまつわるものでした。
伯父さんは独身で亡くなったために、相続人は伯父さんの兄弟姉妹です。とは言っても、沖縄県内にいる兄弟姉妹はAさんの母親(91歳)だけで、他の兄弟姉妹6名は50年以上も前にペルーに移民したということでした。移民した兄弟姉妹は亡くなっている方もいて、その子供達とは面識ないという話です。
高齢の母を連れて、司法書士に会ったり、弁護士に会ったりして、それぞれに事情を説明しても、なかなかスムーズに解決に至らず、「調査してからでないと、引き受けできるか分かりません」と言われ、途方に暮れていました。

当社の無料相談広告を見たAさんの妻が、Aさんに勧めたので来社したといういきさつです。
一通り事情を聴いたうえで、担当者はニッコリこう言いました。
「ご事情はよく分かりました。弊社でお引き受けできますよ。大丈夫です。」
Aさんの妻が「エッ?!本当ですか? どこに行っても渋っているのに・・・」
Aさん「あの~。相続人はペルーにいるんですけど…」
担当者「はい、承知しています。場合によってはペルーまで行こうと思います」
Aさん・Aさんの妻「エッ!!?」 「それでは、進め方についてご説明しますね。 Aさんのお母様はご健在ということですが、ご自分でお名前書けますか? ペルーの相続人様の中で、お一人でも連絡とれる方は いらっしゃいますか?その方は日本語が通じますか?etc・・・」こうして日本から遠く離れたペルーとの相続プロジェクトが始まりました。

解決策外国在住の相続人探しと手続きに精通しているかが大事

相続人が外国にいることは、当社で扱う相続では度々あります。今回は英語圏ではないので、まずはペルーの言葉の翻訳・通訳者が必要です。当社の提携先は英語だけでなく7か国語に精通したスタッフがいて、大体の言語に精通しているので頼もしいかぎりです。
さっそく相続税申告に向けて実務に取り掛かります。ますは戸籍をたどり相続人の確定作業です。50年以上前にペルーに移民しているので、戸籍が途切れているため、そこを繋げるための証明が必要です。 今回の相続はペルーに6名、ハワイに1名の相続人がいらっしゃいました。
翻訳・通訳との綿密な打ち合わせを数回行い、相続事情や税法の観点からも税理士から分かりやすくレクチャーしました。場合によってはペルーの相続人からの質問があることも踏まえてです。微妙なニュアンスの違いで誤解があっては、信頼関係は構築できません。順次、確認がとれた方へスペイン語で書かかれたお手紙を送り、状況を伝え協力して欲しいとお願いしました。そして戸籍を繋ぐための各種資料の取寄せを具体的に依頼しました。 相続人の中には高齢で難しい文書を読むことが困難な方もいるので、直接電話をかけ事情を説明することも多くありました。時差があるのでそれも調整します。また相続人のお子様が同居されていて、代わりに電話対応をサポートしてくれたりしましした。
作業も佳境に入り、遺産分割協議書を翻訳して、ペルーに直接持って行きます。そして遺産分割協議書にサインしていただくと共に、現地の署名証明をもらいました。無事にペルーで全員からサインをいただき、帰国後はそれに基づき遺産の分割が行われペルーに送金が終了しました。土地は沖縄でこれからも守って欲しいと、沖縄の相続人に相続されました。

ペルーに行ったときに同行したスタッフが撮影した写真があります。沖縄から遥か遠く離れた国にいる相続人ですが、どのお顔も「うちなーんちゅ」です。日焼けした優しい笑顔が印象的でやはり同じ沖縄の人だなぁと親しみが湧いてきました。
ペルーの相続人にお金を送金して、土地は一部を相続税支払いの為に売却し、残りを沖縄の相続人が大事な伯父さんのトートーメーと共に守ることができました。
Aさんは次々と進む様子に戸惑いながらも、遠いペルーの叔母や従妹達が協力してくれたことに感謝しながら、無事に相続税を払い安堵の気持ちに浸っていました。
「ダイヤモンド経営に来てなかったら、今も途方に暮れてました。本当に良かった」
何度も何度もお礼を言われて、とても晴れやかな表情でした。

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